問題の文書は、公職規律秘書官と民政首席秘書官を経て秘書室長にまで報告されたものでした。 大統領府がいくらすべき仕事がなく、ぶらぶらしている組織であっても、証券街の風説の類いを拾って集めるはずはありません。民政首席や秘書室長がいくら風 説に幻惑されがちな人物だとしても、そんなチラシを耽読するはずはありません。 警察の情報分野最高のエリートが集めてきた情報を、秘書官が濾過し首席が濾過して秘書室長に報告したのがその文書でした。 報道機関でも現場取材記者が風説を集めに通ったりはしません。 そのような風説を担当チーム長やデスク、さらには局長に報告したりするわけがありません。
問題の本質は大統領側近の専横と権力闘争、そして不正疑惑です。そのような重大な事件を文書流出事件にしてしまおうとする姿を見ると、1992年のチョ
ウォン河豚料理店事件を思い出します。 キム・ギチュン室長は当時この事件でも主役でした。
彼は安全企画部分室長から教育長まで、釜山の機関長が全員集まったチョウォン河豚料理屋でこのように話し官権介入を促しました。
「今回の選挙で負ければ、皆で影島大橋から飛び降りよう。」しかしこの官権選挙工作事件は、政権と検察と縁戚言論の合作でチョウォン河豚料理屋盗聴事件に
性格が変えられました。 検察は機関長を捜査するのではなく、会合の内容を暴露した人々を逮捕しました。
事実、大統領とその側近たちが断言したことによれば、監察文書の内容はゴミです。
「僅か1%も事実に符合しない」デマです。ところが、そのように言った人々がこのゴミの流出を綱紀紊乱行為だと規定しました。証券街を飛び交うものはたと
え大統領府に流れてこようが、ゴミはゴミです。 大統領府を経たからとゴミが国家秘密になることはできません。
すでに市中に全て飛び交ったことならば、一層秘密ではないのです。
ところで、あなたはまた誰かが書いた通り、このように読みました。「(文書を)内部からそのまま外部に流出させる
ならば、国が大きな混乱に陥って、社会に葛藤が起きることになります。
…誰がどんな意図でこのように国を困惑させるのか、早く明らかにしなければならない。」ゴミを捨てただけなのに、どうして国が混乱するのですか。
機密漏洩、綱紀紊乱を云々すれば、また思い出してしまうことがあります。 猿水準の記憶力でも思い出せることです。
2年前の大統領選挙の時、朴槿恵キャンプが犯した南北首脳会談対話録歪曲流出事件の話です。
あなたの参謀たちはこの前の大統領選挙で1級秘密に規定された南北首脳会談対話録を持ち出して大変に愉快な思いをしました。
そのまま流出したのではなく、内容を悪意的に編集までしましたね。
盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が北朝鮮の金正日国防委員長に北方境界線の放棄を約束したと言って、当時秘書室長だった文在寅(ムン・ジェイン)候補はその
時何をしていたのかと問い詰めたのです。突然、盧大統領と文候補は金正日の“子分”になってしまいました。
対話録歪曲流出事件は現在裁判が進行中です。
検察は張本人であるチョン・ムノン議員に対して罰金500万ウォンの略式起訴で終えようとしましたが、裁判所は正式裁判に付しました。しかし検察は11月
25日の結審公判でも罰金500万ウォンを求刑しました。
その理由はあろうことか「全体的な発言内容は虚偽と断定し難く、一部は国民の知る権利に符合する側面もあるため」ということでした。
検察のこのような基準によれば、今回の文書流出は最初から捜査対象にすらなりえません。
文書の内容は風説に過ぎないので国家機密とは言えません。 国民の知る権利という次元で見るならば、善意の情報提供者による報道は当然のことです。
対話録歪曲流出事件と並行してこの事件を処理しなければならないのですから、検察としては本当に悩ましいことでしょう。
しかし、どうしますか。たとえ常侍たちの考えであっても大統領があれほど厳命したので、また悪魔の計略でも持ってこなければなりませんね。
国民は朝三暮四の故事の中の狙公の猿のような存在なので、ひたすら信じて反抗したりはしないでしょうか。
指鹿為馬の故事に立ち戻れば、趙高が胡亥を蔑視して専横している間に、全国では反乱が起きます。 友邦の軍隊が咸陽にまで上がってくると、趙高は胡亥を殺して子嬰を新しい皇帝に擁立しますが、帝国の沈没は防げず、結局は趙高も誅殺を避けられませんでした。
[出典]
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/18939.html