朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は1日、「影の実力者」とされるチョン・ユンフェ氏(59)の国政への介入疑惑と関連する大統領府の内部文書が外部に流出し た事件について「決してあってはならない、国の秩序を乱す行為だ。誰であれ、不適切な行為が確認された場合は地位のいかんに関わらず一罰百戒の措置を講じ る」と述べた。朴大統領はこの日、大統領府の首席秘書官会議で「このような公職者の綱紀の乱れも必ずや正さなければならない腐敗の一つだ。悪意的な中傷が あったのであれば、それ相応の責任を問うべきだ」と発言した。
朴大統領は「文書の流出のような国を混乱させることを、誰がどのような意図をもってしたのかどうか、早急に明らかにすべきだ」と述べた。その上で検察に 対しては「(文書の)内容の真偽を含む全ての事案について、1つの疑惑も残らないよう徹底的に捜査し、真実を明らかにするよう望む」と注文した。また大統 領府の幹部たちには「皆が協力して速戦即決で真実を明らかにし、国政の混乱を招く事態が長期間続くことのないようにすべきだ」と指示した。
一方、文書の内容についてのさまざまな疑惑について朴大統領は「デマ」と述べ、疑惑を解消する姿勢を示した。
朴大統領は「大統領府には国政に関するさまざまな事項だけでなく、世間に出回っている数多くの流言飛語や、あらゆる苦情も伝わってくる。それらが全て現 実にそぐうものではなく、事実に反することも多い」と述べた。その上で「ちょっと確認しただけでも、すぐに事実かどうかが分かる事項について、関係者たち に確認すらしないまま『影の実力者』などといった報道をすること自体が問題だ」として、チョン・ユンフェ氏の国政介入疑惑についてのメディアの報道を批判 した。だが朴大統領は、今回の事件の中心人物であるチョン氏の実名や、チョン氏に関する疑惑については一言も触れなかった。
朴大統領がこの日「国の秩序を乱す」「一罰百戒」「速戦即決」「腐敗」といった強い言葉を口にしたのは、政権発足から3年目を迎えるのを前に発生した今回の事件が長期化した場合、国政の掌握力が急速に低下しかねないという危機意識の表れではないかとの見方が出ている。
朴大統領は今回の事件の2つの主軸のうち、「影の実力者」に関する疑惑よりも「文書の流出」をより重視している。野党側が注目する文書の内容やメディア の報道については否定的な認識を示した。これについて野党側の関係者は「大統領府の文書が流出した理由が、幹部たちの軋轢(あつれき)にあるのだとすれ ば、たとえ側近であっても例外なく追放するという意向が反映されている」と語った。
最大野党・新政治民主連合は、この日の朴大統領の発言を「検察の捜査のガイドラインを示したものだ」と批判し、特別検事による真相究明を求めた。新政治 連合の文喜相(ムン・ヒサン)非常対策委員長は、朴大統領の発言が伝わった直後、幹部たちに対し「予想はしていたが、大統領が今後苦しい状況に追い込まれ ると思う」と述べた。野党は文書の流出よりも国政介入疑惑を政治的により重視し、今回の事件を「ゲート」と見なしている。
新政治連合の「影の実力者による国政独占真相調査団」の朴範界(パク・ポムゲ)団長は「大統領の発言のほとんどが文書の流出に照準を当てたものだという 点は、捜査のガイドラインを示したものではないことを望む」と述べた。また、ユ・ギホン・スポークスマンも記者会見で「今回の事件をうやむやにするようで は、朴槿恵政権は取り返しのつかない危機に陥るだろう」と語った。
丁世均(チョン・セギュン)非常対策委員は党内の会議で「朴槿恵政権の『宮廷』からひどい悪臭が漂ってきている。影の実力者による国政への介入は、大統 領がいう『断頭台』に上げるべき代表的な弊害だ」と述べた。野党のある幹部は「捜査のガイドラインが示された以上、検察の捜査に期待することはないもな い。国会による真相解明、特別検事などあらゆる手段を活用すべきだ」と語った。だが野党は、さまざまな疑惑を裏付けるだけの証言や証拠を確保できていない ことが分かった。
[出典]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141202-00001360-chosun-kr