歴史
ヌロンイはとても古い犬種で、古来より朝鮮半島に土着していて、中国の古代犬種のハン・ドッグとつながりがあると考えられている。猟犬、番犬として使役する傍ら、食用にもされていた。朝鮮半島では、現在も犬肉レストランなどでヌロンイの料理が出されている。食用犬種としての顔
「犬食文化#韓国・北朝鮮」も参照
ヌロンイの肉は甘く、北朝鮮ではタンコギ(단고기)と呼ばれている。韓国では滋養強壮剤として食されるもので、かつては貴重なタンパク源のひとつであった。また、牛や豚に比べ、少ない餌で肥育できるために重要な収入源にもなっている。食用にされるのは主にオスで、大半のメスは繁殖用に残される。食用にされるヌロンイは去勢され、肉を与えず主に穀物系の餌のみを与えられて肥育される。攻撃性を削ぐために子犬の時に鼓膜を穿孔する場合もある。一定の期間、農場で大量のヌロンイが肥育された後に屠殺業者に売られて屠殺される。一般人が番犬として使役させたヌロンイを屠畜業者に売る場合もある。屠殺は撲殺と知られているが、最近は電気ショックなどで屠殺され出荷される場合が多い[1]。屠殺方法が残酷だとされることと一部農場の劣悪な施設が動物虐待に
値するとして各国から厳しい批判がなされる。こういった抗議について、他国の文化を理解していないと疑問の声もある。また、批判をしている国々もかつては
犬食文化があったこともしられる。近年では、韓国にも「犬は愛玩動物」という意識を持つ人が増えており、韓国人主体の動物愛護団体が犬肉食を批判すること
もある。ペット犬種としての顔
近 頃では珍しい犬種を好む人にペットとして飼われたり、農村部では猟犬として使役させるなど、卓上に上る運命を免れるヌロンイも多くなってきた。韓国国内で も犬食に反対する動物愛護団体が増えつつあり、犬を食べない人も年々増加している。また、計画的な交配によりヌロンイの犬種の質を向上させようという運動 も盛んに行われている。また、2006年時点で日本にも全国で30頭ほどのヌロンイがペット用として飼育されている。
特徴
「黄色い犬」という意味の名の通り毛色は黄色っぽく、背、耳、マズル(口吻)、頭頂などに黒いマーキングがあるものもいる。日本犬によく似たスピッツタイプの犬種だが、それらよりも大型で筋肉質のがっしりとした体格をしている。
耳は立ち耳または垂れ耳で、尾は巻き尾か刺し尾(まっすぐな垂れ尾)。性格は忠実で内向的、繊細で育てられた家族によくなつくため、度重なる転売(=主人を何度も変えられること)により、かなりの精神的ダメージを受けて弱ってしまう。